高校3年のときは、気持を引き締めて勉強をした。
駅前にある代ゼミに通い、受験対策もかなり入念にやり始めた。
高校に進学したときは、大学に行くきはなく高校を卒業したら就職しようと思っていたのですが、しかし、高校2年の夏頃のこと、就職するまでの期間を先延ばしたいという気持ちが湧き上がってきたのです。
就職を先延ばししたかった
今の状態だと、就職の面接をうまく乗り切ることは難しいし、さらに就職したらもう人前を避けるなんていうことは不可能で、完全に逃げ場を失うこということになると思ったのです。
それと、地元にいるのもなんとなくいやでした。
今までの人生を変えたいし、人生を刷新したいという思いがありました。
それには違う土地に行ったほうが、実現しやすいという漠然とした思いもあった気がします。
高校1年~2年ほとんど勉強をしないまま来てしまったのですが、3年からそれに受験勉強に集中しました。
最終的に3校受かり、2番目に偏差値の高い大学へいくことにした。
1番偏差値が高かったところは、なんか自分に合わない気がしたのです。
単純に就職のことを考えたら、そっちのほうが良かったとは思います。
東京でアパートを借りて、実家を引き上げ引っ越したときは、なんかうれしかったのを覚えています。
いろいろな意味で自由になれた気がしたのです。
地元には、正直腹を割って話せる友人はいなかたし、ちょうどよかった。
京王線の駅から歩いて10分程のところに住んだ。
うれしさと同時に、不安がまたよぎる。
高校生活の3年間は「あがり症」という問題からはとにかく逃げてきた。
大学の4年間で、あがり症を克服する!
それを、大学4年間でも同じように逃げて過ごすことは、問題の先送りにしかならないと思っていました。
就職活動の前になんとか、人前で最低限のパフォーマンスを出す状態にまで持っていけたらという目標が、頭のどこかにありました。
就職活動以降は、もう逃げられない状況になるのは、分かり切ってもいました。
大学の授業は大教室で指されることはないと思うが、友達との交流が生まれれば、カラオケや、なにかのイベントで人前状態になることや、ゼミ、就職活動では確実にその場面になることは必至である。
もう逃げられない状況にどんどんなっていく。
それに、就職したらもう完璧に逃げられない。
仕事で人前にでる状況になることは、当たり前だし。
僕は気を引き締めた。
それと同時に、全く根拠のない期待が生まれていた。
それは、「あがり症」を克服できてしまのではないか、という期待だ。
全く根拠はないのだが。
そして、想定外だったのは、メンバーが決まったクラスというのがあって、高校みたいに同じクラスのメンバーと授業を受ける。
それは、英語と第二外国語だけなんだけど、人数が30人程度と少なく、指される確率が高そうなのだ。
これには慌てた。
大学というのは、でかい教室で聞くだけの授業だと思っていたからだ。
でもそれは、なんとか乗り切れた。
授業は2時限/週しかないし、5月に入ると先生は指さなくなったためトータルでは、ほとんど指されることはなく時が過ぎた。
ぼくは、予習と呼吸法、ギャラリーの耳に意識を向ける方法。
この3つを徹底して実行した。
指されたときは、やはり相当あがるけど、この3つの方法でなんとか乗り切ることができた。
数えてみると、年間で指されたのは4~5回程度だと思う。
クラスのみんなには、なんとか「あがり症」であることはバレていなかったと思う。
バイトは警備員のしごとを始めた。
警備員は、出勤日を選べるので良かったのだ。
週2回、火曜、木曜といような選び方ができたので便利だし、そしてなによりも人前に出る状況が全くなかった。
あがり症は薬で治るの?
そのころ、あがり症を克服したという人がテレビに出ていて、薬をうまく利用したようなことを言っていて、そうか薬という手があったか。
いままで、「あがり症」を薬で治すという発想がなかった。
今まで読んだ、あがり症克服本には、薬の効果について書いてあるものはたくさんあったはずなのですが、なぜかその手段が自分の頭の中では完全に削除されていました。
無意識に自分の中で、薬という手段を除外していたのです。
薬=危険という思い込みがあったのかもしれません。
ですが、冷静に考えると、普通に医者に行って薬をもらえばあがり症は治るのかもしれません?
あがる前に飲めばよいわけだし、面接などの日時が決まっているものは、薬で十分対応できるのではないか?
効果と副作用は実際どの程度のものなのだろうか。
でも、そもそも、あがり症で悩んでいる人間がいるということは、薬の効果が限定的で、しかも副作用でそんなに常に飲み続けることができないというのが実態のような気がした。