高校2年のときの話だけど、僕は可能な限り人前に出て話さなければならない状況から全て逃げていた。
とにかく可能な限り人前にでないようにした。
この方針を貫けることができなくなる日がくるというメッセージが、常に頭の片隅にチクチクするトゲのように僕に訴えかけていた。
しかし、今それができるんだから、できなくなるまで続ければよいとも思っていた。
店頭販売のバイト
そんなある日、姉の友人の依頼でバイトの話がきて、内容は店舗の仮設の場所に団子屋を出してそこで販売業務をやるというものでした。
販売といっても、〇〇くださいと言われたらそれプラスチックの入れ物に入れて私、お金をもらうだけ。
なので、お金が欲しかったしやることにした。
毎回出店する場所が違っていて、その場所によっては周りに他の店舗やお客さん以外の人の目がないところや、逆に他店舗やその店舗の人から見られるところがあった。
前者はよかった。
ただぼーっとして、購入するお客さんがきたら渡して、お金をもらうだけの単純作業。
後者が結構焦った。
周りの店舗の販売員の人たちが、元気で大きな声で「いらっしゃいませ」「〇〇はいかがですか?」「今〇〇が旬ですいかがですか?」などと積極的に販売する。
そんななか、僕はそういうのは無理だった(笑)
そういう状況で大きな声を出すなんて、無理、、、、
ずーっと黙ってただ注文だけを裁くことをしていると、隣の店舗のおばちゃんが、もっと声出さないと!黙ってるだけじゃうれないよ!などと言ってくるのだ。
この状況が堪らなく嫌だった。
僕はただ、ええ、まぁ、と曖昧にうなずくことしかできなかった。
大きな声で「いらっしゃいませ」と一度言ってみたが、声がぜんぜんでなくて、一瞬「あがり状態」になりかかった。
頭が真っ白になるという程ではないけど、脚がすくみ、体が硬直、汗ばむのが分かる。
あ~やっぱ無理。
僕は決めた、なんと言われようと、黙ってやり過ごそうと、、、、
だって、自分を雇っている会社の人間ではない人からなにを言われようが、無視して問題ない。
そう自分に言い聞かせた。
大声が飛び交うなか、自分だけが声を出さず黙っているということに情けない自分を感じながら過ごしました。
しかし自分はなんとも自意識過剰な人間であると、つくづく思った。
店頭で大きな声で「いらっしゃいませ」言ったところでだれもなんとも思わないし、気にもしないのに、なんか自分が注目されている気がしてしまうのだ。
頭では、そんなわけないと分かっているのだが、、、
そのバイトは時折依頼が来る感じなので、半年程はお金が欲しくてやったけど、それから依頼がこなくなった。
僕を店頭販売向きではないと思ったのか、ただ単に人出が余り始めたのか、その理由は定かではない。
認知行動療法はあがり症に有効!?
「認知行動療法」というのがあるけど、この僕のケースでいうと「自分が大きな声を出すということは、自分が人から注目されている」という認知を、それは実際には勘違いであり、そんなに注目なんてされていないという事実を認知していくものだと言えるでしょう。
これが果たして、可能なのか?
自分が、店頭で大きな声で「いらっしゃいませ!」と言ったとして、その状況をありのまま俯瞰すれば、だれもその「いらっしゃいませ!」と声を出した自分に注目も意識を向けていることもなくて、だたその場で飛び交う声・音の一つに過ぎないということを認識はできるかもしれない。
しかし、それは顕在意識場の話で、僕の潜在意識はそんなふうには認識してくれない。
そもそも、自分が自意識過剰なのは分かっていたし、その自意識過剰なのを治す方法がわからなかったのだから。
ずーっと後に手にすることになる>>>このプログラム<<<に、その辺の解決策がわかりやすく解説されているのですが、当時は具体的な道筋が見えなかった。
「認知行動療法」であがり症や、社会性不安障害が治るケースはどれほどあるのだろうか?
ほとんどない気がする。
自分が偏った捉え方をしていることを、分かっている人には全く無意味だし、そうではない人でも、効果があるとは思えない。
高所恐怖症の人に、「あなたは全く危険のないビルの窓辺にいて怖いというのは、単なる過剰反応ですよ、その過剰反応を修正しましょう」とすすめて、それで高所恐怖症なおるか?それは100%治らないでしょう。
そんなことは、本人も重々承知なわけだし。
意味ない、、、