小学2年のころから、人前で話すときになると極度の緊張状態になってしまうようになったのですが、ちょうどそのタイミングで一番イヤな事態を避けることができる状況が生まれました。
これは、今振り返ると良かったのか悪かったのかは分からないのですが、当時はなにかに守られているのではないかと子供心に不思議な感覚を覚えていました。
小学校2~4年の時の担任の先生は、授業中なぜか僕をほとんど指さなかったのです。
常に指されるかもしれないという緊張感はあったのですが、小学校2年~4年の3年間は、指されたという記憶がないのです。
当時の私にとってそれは非常にラッキーな状態でした。
状況が変わった5年生のとき
想像するに、先生は私があがり症だということを察知していて、指さないでくれたのではないかと思います。
しかし、5年から担任が変わって、その状態ではなくなりました。
普通に僕を指すのです。
もう僕は授業中気が気じゃなくなりました。
さらには5年になるときに、クラス替えがあったのでクラスのメンバーは知らない人が多かったのも、その恐怖をさらに大きなものにしました。
いつ指されるかビクビクする毎日が始まってしまったのです。
腹式呼吸法とフラシーボ効果でしのげた
それでも、小学校5年~6年の2年間をこの状況でなんとかやり過ごせたのは、呼吸法を覚えたからでした。
以前授業参観日のときに話で書いたように、その頃、授業参観日の対策をキッカケに母が教えてくれた呼吸法を毎日やっていたのですが、これが一定の効果を上げていました。
そのおかげでなんとか5~6年の2年間はやってこれた気持がします。
腹式呼吸法はあがる場面の前に行うと、少なからず緊張する度合いが小さくなるというのは、当時実感していました。
今思うとこれは、腹式呼吸法そのものの効果だけではなく、プラシーボ効果も相まってプラスの効果が出ていたと考えられるのです。
パッケージは頭痛薬で、その中身にかたくり粉を入れても、人はそのかたくり粉を飲むと頭痛が治ってしまうという事例がたくさんあるわけです。
母は、腹式呼吸の効果は絶大だからといつも言っていたのです。
それも母は狙っていたのだと思う。
腹式呼吸は大人になっても、いろいろな場面で使えるので重宝している。
しかし、あがる場面でこの方法だけで十分に通用していたのは小学生まででした。